PENESTRATORIUM REPORTS
Friday, December 28, 2007
  from I stimula

年の瀬ですね

今年の仕事も終わって、しばらくぶりにゆったりした時間を過ごす。学校業務がない時こそ制作をガッツリ進めるタイミングなので悠長な感じではないけど、リラックスすると思考と体はうまく働いてくれる。

最近は色々なアイデアや思想、感情がスムーズに一つにまとまる。ヴィジョンが確かだと手も早い。恩師の言葉に「頭で考えず、手で考えろ(一年次)」というのがあるが、その感覚を取り戻しつつある。

学部時代は制作一辺倒で、院に上がったとたん猛烈にお勉強なんてすると、何かとがんじがらめを喰らった様な感覚になった。「思考の甘いワナ」とも言う。楽天的であることがオレを救ってくれたが、どっこいクセが後に残る。初期衝動を理性に通すことは必要なんだけど、あんまり通しすぎると当初のアイデアや感情に紗がかかる。とにかく、何かがニブくなっていく。

「自分の作品を躊躇なく壊せる作家がいい作家だ」
こっちは予備校時代の先生の言葉。思考についても同じことが言える気がする。考えに考えて練り上げた思考をぶっ壊すってのは、作品から必要の無い部品や要素を除いていく(ブラッシュアップ)より遥かに難しい。場合によっては自分のアイデンティティーにも関わってくる。

というわけで何が言いたいかというと、論理的思考で全部説明できる作品なんてのはそもそも「作品」の体裁をとる必要が無いし、それならむしろ全部言葉で説明した方が何倍も正確に伝わるだろう。その意味で「作品」にはある種の理不尽さが求められる。そして、論理的思考は理不尽さを解釈するためのもので、理不尽さを生み出すことは無い。

一方で初期衝動ってのはおおむね理不尽に発生する。少なくとも、その時点でそれを論理的に解釈できるなんて事はまずない。ただ色鮮やかで強力な感情と思考とアイデアの渦。このエネルギーは使わなきゃダメだ。

思考を放棄してはいけない、が、あまり欲張ってもいけない

今年になって手に入れた感覚であると同時に、年の瀬で頑張ってる後輩たちにメッセージってことで。

良いお年を
 

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Personal Review:

基本的にアーティストやクリエイターといった人たちは、そう思い込んでいるケースも含めて、理工系の思考が苦手だ。この本の著者はその辺もかんがみて、可能な限り理論や計算式を省いて、直感的にサウンドに関わる電子回路や部品の説明をしてくれる。「サウンド〜」とあるだけに、当然そちらに傾いた内容ではあるが、音楽好きでこれから電子回路を学ぼうという人にはオススメの一冊。
巻末にはミキサー、イコライザー、入出力回路といった、オーディオ系回路の図案と説明も載っている。

表紙>

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