PENESTRATORIUM REPORTS
Saturday, September 19, 2009
  SPAAACECECE ECHCHCHOOOO!!!



少し前にヤフオクでオトしたSPACE ECHO RE-201。
言わずと知れたテープエコーの名機。

久しぶりに回してみたら音が出なかったので、思い切って自分で修理を試みた。
ネットで調べてみてもあまり情報がなかったので、ボランティア気分で”備忘録”します。

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まずはテープエコーの簡単な原理について。
要は永久ループする磁気テープに、録音ヘッドと再生ヘッドを時間差で当てて原音とミックスすることで、エコー効果を得るというシンプルな代物(写真上の中央右側の銀色の部分がヘッド)。

テープを回すワケだから当然内部にはモーターがあり、その動力はゴムのついたアームを伝わってテープを回す(写真中央上の黒い丸)。
電源を入れると同時にソレノイドが動いて、アームをテープを押し当てる事でしっかりと回転運動を伝えるという仕組みだ。

当然壊れやすいのはこの動力部分で、アーム内部のベアリングがガタついてうまく回らないというケースが多いようだ。
この場合はゴムのキャップを外して、アームをバラし、
ベアリングの汚れをパーツクリーナーかなんかで落として、
最後に機械オイルやグリースをさしてやれば問題ないでしょう。

小生の場合はこの点に問題はなく、フロントパネルのVUメーターも入力にしっかり反応していた。
というわけで、問題はもっと中にある。


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中身をのぞくには、まず周りの黒い木製の筐体と分離しなきゃならない。
上の写真の中央にあるタイプの黒いネジ(左右側面に1カ所ずつ、底面に5カ所)をはずす。
これだけ。

ただし、中の回路をみるにはひっくり返さなきゃいけないので、置く時はテープ部分を傷めないように底上げしてやるか、いっそ外してしまう。


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これが中身。
ICなんて1つもない、オールド&ストロングスタイル・アナログ。
写真手前左から電源トランス、ソレノイド、モーターと並び、
中央2枚の基盤は左が電源回路、右がエコーボードだ。
写真にはないが、外した木製の筐体の方にはスプリングリバーブユニットが取り付けられている。

書き忘れたが、実はこのSPACE ECHOはその長い歴史の間にマイナーチェンジを繰り返している。
持っている人は筐体裏のシリアルナンバーを見て、以下の表からチェックしておくことをお勧めする。



小生のモノは一応最新版で、アウトにフィルター回路が付いたヤツ。

どうもVUメーターの動きを見ていると、入力に問題はなく、
ディレイのリピートも反応しているようなので、アウトの端子からフィルター回路にアタリをつけた。


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写真じゃ見にくいが、出力レベルをHigh/Mid/Lowと切り替えるスイッチのところの、
本当ならGNDに落ちているべき抵抗が完全に外れている。

「そら鳴らんわ」ってな感じでつなげたら、いともアッサリ鳴った。

少し拍子抜けもしたが、思えば壊れたのがここだけで良かった。
VUメーターの便りがなかったら回路中をテスターであたって調べにゃならんかった。


それにしても、独学でコツコツ勉強してきて、なんとか独力で直せると、少し苦労が報われた気になって嬉しいもんだ。


レポ終わり
みんなも自分の機材を大切に


ksk
 
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Personal Review:

基本的にアーティストやクリエイターといった人たちは、そう思い込んでいるケースも含めて、理工系の思考が苦手だ。この本の著者はその辺もかんがみて、可能な限り理論や計算式を省いて、直感的にサウンドに関わる電子回路や部品の説明をしてくれる。「サウンド〜」とあるだけに、当然そちらに傾いた内容ではあるが、音楽好きでこれから電子回路を学ぼうという人にはオススメの一冊。
巻末にはミキサー、イコライザー、入出力回路といった、オーディオ系回路の図案と説明も載っている。

表紙>

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